平成29年7月12日に、歌会を行いました。

兼題「七夕」(題者 菅原秀太)

林純一
七夕の契り愛(かな)しきひととせの想ひを添ふる梶の葉ゆかし

天之原泰洸
宇宙には雨雲(あめくも)なくて澄み渡りそれでも想ふ梅雨の七夕

天之原詩恩
七夕の糸織姫(いとおりひめ)の彩衣(あやごろも)掛けわたしたる今日の夕暮れ

吉野清美
願ふこと書きて手向くる星の座にいつしかかかるかささぎの橋

菅原秀太
ひとひらのみどりまぶしき梶の葉に重みを覚ゆこの七夕は

ハリス・シェーン
たま笹を星の御座(おまし)にたてまつりよろづのものの幸(さきは)ひを祈(ね)ぐ

高橋英子
かぢのはに願ひをたくし天の川いついつまでもすこやかにあれ

金住昌美
天の川をうちあふぎつつこの年も静かなりけりレインボーブリッジ

加藤晴乃
星空に願ひを込めて七夕の絹織り飾り琴をつまびく

荒川克美
彦星と織姫あそぶ星の夜二人で逃げよ銀河の果てに

笠原雄二
夕暮れの刻(とき)は迫りて七夕の綾(あや)はいかにとまたなやみけり

高草木明美
あふぎみる笹のかなたに天の川星に願わむあたらしきゆめ

木下晋伍
星々の空へとのぼる虫の音に想ひをたくす七夕の夜

小林潤也
七夕に出会ひし人を待ち続けたよりなくして会へぬかなしさ

三宅やよい
あふことの ままならぬよも のぞみつつ かがやくかはを はやわたらなむ(折句)

大原稔
縒り紡ぐ棚機女(たなはたつめ)の糸ならむ大空高く羊雲曳く