平成26年11月29日(土)
群馬県上牧温泉・庄屋において、歌会を開催いたしました。

読師 菅原秀太 赤袍衣冠
講師 青柳隆志 黒束帯
発声 伊藤一夫 黒袍衣冠
講頌 大原 稔 夏直衣
講頌 吉野清美 赤袍衣冠

懐紙・文台・装束・座礼披講

冬の日同じく山といふことをよめる歌

①(甲調)東京都 多田知代子
母刀自は待ちゐますらむ君と往く宮路山なる麓(すそ)の灯(あかり)に

②(甲調)神奈川県 鈴木映見加
色づける山櫨(はぜ)漏るる午後の陽に足を速めん里近くまで

③(甲調)東京都 中村孝之
いかで我うき世の中にとどまらん思ひははるか深きみやまに

④(甲調)東京都 林純一
やまのはもあかく染まりぬ巻向(まきむく)を綾なす錦秋ぞゆかしき

⑤(乙調)埼玉県 菅原秀太
やすらけく立ち昇らなむ一筋に煙(けぶり)は絶えぬ御嶽の空

⑥(乙調)山梨県 天之原泰洸
せせらぎが庭を流るる八ヶ岳クレソンワサビ友となる夏

⑦(乙調)東京都 吉野清美
山の幸採りて帰るは山学校(やまがっこう)一抱へのしめじ父持ち帰り

⑧(乙調)千葉県 青柳隆志
たつきする地に山もなし故郷(ふるさと)の嶺なつかしと言ひし人はも

⑨(上甲調)埼玉県 兼築信行
たまさかに御山は怒り噴き上がり石つぶてもて人をあやめり

⑩(乙調二反)東京都 大原稔
ひさめ降る山のきの葉は散りはててましらは叫ぶみねのかなたに

⑪(甲調)神奈川県 甲斐靖幸
やりたい仕事は沢山あるのだが寝なくて済む法あればいいのに

⑫(上甲調二反・甲調一反)千葉県・伊藤一夫
落ち葉踏む音はうつほに戻りゆく来(こ)し方を問ふ冬の山ざと