平成29年12月23日(土)に向島百花園 御成座敷にて歌会を行いました。

懐紙・文台・座礼披講

~星と森披講学習会の歩み、そしてこれからを想う~

兼題「伝」(題者 伊藤久乃)

読師 荒川克美
講師 金住昌美
発声 天之原詩恩
講頌 加藤晴乃
講頌 岸 志津佳
講頌 田上富美子

荒川克美(甲)
たいせつなひとに思ひを伝へむとことばをさがし歌にしたたむ

多田知代子(甲)
外つ国の母持つをさないざたまへ祖母は伝へむむかしむかしを

多紗(乙)
冬枯れの 枝にひとつの 梅の実を 風吹き抜けて 名残り伝ふる

浅野裕子(乙二反)
百くさの花にさきがけ咲く梅に木づたふ鳥のゆくへ遥けし

井沢真紀(上甲)
ことだまの幸ふ国ぞ神代より伝ふるいのりまことなりけり

天之原詩恩(甲)
富士の嶺に新しき雪陽は満てり風伝へてよ子らの明日に

読師 大原 稔
講師 林 純一
発声 青柳隆志
講頌 天之原泰洸
講頌 菅原秀太
講頌 シェーン・ハリス
講頌 笠原雄二

菅原秀太(甲)
平らけく成る世の中の幸ひを常磐の松に言伝てまほし

笠原雄二(甲)
ふるさとへリニアははこぶ超伝導おさなき日々に描きし未来

大原 稔(乙)
笛竹のよよの昔もしのはれて連なる枝にふきそつたへむ

林 純一(乙二反)
ことのはの道をまことゝ伝へたる君かをしへはわすれさりきり

伊藤一夫(上甲)
バリの夜の子らに伝わる指影絵仲間にいれてと谷ぐくの鳴く

青柳隆志(上甲・上甲・甲)
あなたふと古今伝授の歌の師は文箱の蓋に掛守かく

詠進歌(いろは順)

東京都 伊藤一夫
バリの夜の子らに伝わる指影絵仲間にいれてと谷ぐくの鳴く

東京都 伊藤久乃
誰か知る人伝に聞く消息に想ひ高鳴り行き場もなくて

千葉県 井沢真紀
ことだまの幸ふ国ぞ神代より伝ふるいのりまことなりけり

千葉県 ハリス・シェーン
百伝ふつぬがの駅仰ぎ見る山の夜空に稲妻光る

東京都 林純一
ことのはの道をまことゝ伝へたる君がをしへはわすれざりけり

神奈川県 和田典子
ちはやふる 神代のみうたつたわれるやくもたつ地にしづむ夕日よ

埼玉県 加藤晴乃
世の中に地震災ひて今ぞ知る生けるしるしの思ひを伝ふ

埼玉県 河内美穂
喜びを伝へあふつど幸せがふくらむ楽し友と出会ひて

東京都 金住昌美
いにしへの想ひ伝へるおほやしろ結びていのるやすらけき世を

東京都 笠原雄二
ふるさとへリニアははこぶ超伝導おさなき日々に描きし未来

東京都 吉野清美
雨風に 耐へて花咲く 鼓草 思ひを伝へ どこまでも飛べ

東京都 高橋英子
手をあてて父の手足をあたたむる言葉をこゆる思ひ伝わる

東京都 田上富美子
あま草や入り江の村に伝はれる異国の祈りいまに息づく

東京都 多田知代子
外つ国の母持つをさないざたまへ祖母は伝へむむかしむかしを

東京都 多紗
冬枯れの 枝にひとつの 梅の実を 風吹き抜けて 名残り伝ふる

東京都 大原 稔
笛竹のよよの昔もしのはれて連なる枝にふきそつたへむ

東京都 黒田宜子
食べたしとつぶやくその日柿とどく母に伝はる我の思ひは

東京都 小林潤也
いろはにほ母なる音を伝へゆく紅葉を散らすかぜのごとくに

埼玉県 荒川克美
たいせつなひとに思ひを伝へむとことばをさがし歌にしたたむ

千葉県 青柳隆志
あなたふと古今伝授の歌の師は文箱の蓋に掛守かく

山梨県 天之原泰洸
稽古場におさなきひより父の声ひびきわたれり伝統のわざ

山梨県 天之原詩恩
富士の嶺に新しき雪陽は満てり風伝へてよ子らの明日に

東京都 浅野裕子
百くさの花にさきがけ咲く梅に木づたふ鳥のゆくへ遥けし

東京都 木下晋吾
冬空に季節はずれのミニトマト収穫手伝ふ犬と子と母

東京都 岸志津佳
風のうたにこたへることし草のねは花をもたらす以心伝心

埼玉県 菅原秀太
平らけく成る世の中の幸ひを常磐の松に言伝てまほし