平成30年12月23日(天皇誕生日)に、東京都江戸川区行船公園(平成庭園・源心庵)にて、歌会を行いました。

『天皇誕生日を祝う歌会』

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~ 第三部 ~

五番歌合 兼題「海」

判者 兼築信行
童 小学校5年生

悠紀方
頭 大原稔
読師 林純一
講師 伊藤久乃
発声 吉野清美
念人 荒川克美
念人 笠原雄二

主基方
頭 天之原泰洸
読師 森下正博
講師 田上富美子
発声 高橋英子
念人 天之原詩恩
念人 菅原秀太
念人 スニトコ・タチアナ

短冊・平安装束・座礼披講

悠紀方   勝 一 負二 持 二
主基方   勝 二 負一 持 二  主基方の勝ち

序歌(判者)
ちゅら海の うちなの島は 空ひくく さはに白雲 うかびただよふ

* * *

一番、悠紀 持
豊かなる 海になれよと 放たるる おさなき魚(うを)は まぶし輝く

一番、主基
大宇宙(おほぞら)の 海原渡る 船に聴く いづこの星ゆ 来たる朋(とも)なる

* * *

二番、悠紀
水にうつる 月かげのぼり 紺青の 大海原に いのち満ちたる

二番、主基 勝
夕凪に 二人しをれば 荒れにけり こころの内の 海のざわめき

* * *

三番、悠紀 勝
伊勢の海の 清き渚に よる波の はやくもかへる 年の暮哉

三番、主基
みはるかす 海に浮かべる 秋津島 平成の波 のりこえしかな

* * *

四番、悠紀 持
風渡る 浦廻(うらわ)の霧の 海晴れて つきをみ舟の 波のをちかた

四番、主基
下田なる 須崎の海は なぎにけり すめらみことの みゆき待ちつゝ

* * *

五番、悠紀
ちゅら海や ふくらしゃてぃんぬ むるぶしや かはるくとぅなき なちかしゃ島や

五番、主基 勝
おほきみの おましの御船(みふね) 漕ぎたまふ 葉山の海に 波しづかなり

* * *

詠進歌(五十音順)

千葉県 青柳隆志
下田なる 須崎の海は なぎにけり すめらみことの みゆき待ちつゝ

山梨県 天之原詩恩
大宇宙(おほぞら)の 海原渡る 船に聴く いづこの星ゆ 来たる朋(とも)なる

山梨県 天之原泰洸
朝七時 カイルアコナを 泳ぎ出づる てつじんレース ゴール夜の九時

埼玉県 荒川克美
与那国の 空にたなびく 龍(たつ)の雲 うみに眠れる 神々の跡

千葉県 井沢真紀
ちゅら海や よせくる波は 海神(わたつみ)の 恵みをはるか 四方に巡らす

東京都 伊藤久乃
海はひとつ 水平線の その果ての いまだ見ぬ国に 想ひ繋ぐる

東京都 大原稔
伊勢の海の 清き渚に よる波の はやくもかへる 年の暮哉

東京都 笠原雄二
伊勢の海に 出づる太陽 天照らし み浜に寄する 波はとことは

埼玉県 兼築信行
ちゅら海の うちなの島は 空ひくく さはに白雲 うかびただよふ

東京都 岸志津佳
海渡り 戻りし我に 出来ること さがして日々を 過ごしていたり

東京都 黒田宜子
みはるかす 海に浮かべる 秋津島 平成の波 のりこえしかな

千葉県 シェーン・ハリス
ちゅら海や ふくらしゃてぃんぬ むるぶしや かはるくとぅなき なちかしゃ島や

埼玉県 菅原秀太
おほきみの おましの御船(みふね) 漕ぎたまふ 葉山の海に 波しづかなり

東京都 スニトコ・タチアナ
霜のおく 相生松に 風は吹き 海面(うなも)を照り映ゆ ふたつの心

東京都 高橋英子
果てしなき ネットの海に こぎいでば 国の境も 超ゆるたやすき

東京都 田上富美子
さらさらと 風に流るる 白浜に 寄するさざ波 蹤を消しゆく

東京都 林純一
風渡る 浦廻(うらわ)の霧の 海晴れて つきをみ舟の 波のをちかた

東京都 御手洗靖大
夕凪に 二人しをれば 荒れにけり こころの内の 海のざわめき

神奈川県 三宅やよい
豊かなる 海になれよと 放たるる おさなき魚(うを)は まぶし輝く

神奈川県 森下正博
海の神 その時により 色がある あかるいくらい いまなに思ふ

東京都 吉野清美
水にうつる 月かげのぼり 紺青の 大海原に いのち満ちたる