令和元年10月20日(日)

兼題「光」

加藤晴乃
あらたしき 御代の陽させる 富士の峰(ね)に 月影は出づ ひとり思へば

仲谷嘉洋
月満ちて 光静けき 海原に 波はてしなく 敷きつづくみゆ

黒田宜子
あたらしき 御代の光の 差す園に しづかに咲ける 薔薇の花かな

シェーン・ハリス
朱(あか)らひく 朝(あした)の光 白樺の こむらを渡る 山雀(やまがら)の歌

笠原雄二
野分すぎて 雲なき空に 光る月 いやしたまへよ おほみたからを

菅原秀太
馬車(うまくるま) ゆくみちもせに ことほぎと はるのひかりは あふれしときく

岸志津佳
あこのてに ひかりさずける ものごしは やさしさみちる ひのもとのきさい

スニトコ・タチアナ
君の舞 千代萬代と 花の袖 たなびく雲は 紫光る

高橋英子
をさなごの ゑみにひかりは あふれたり すこやかにあれ いついつまでも

三宅やよい
やはらかき 光のやうな まなざしに 津々浦々は なぎてたふとし

吉野清美
天上の 宝降らせる ごとくして 湖(うみ)の真中(まなか)に 光る月かげ

天之原詩恩
御帳台の 姿眩しき 平成を 越へて今はや 慈光の菩薩

林 純一
たかてらす ひかげはさして よきひけふ とはのさかえを いはひまつらむ

大原 稔
君が代を 神のひさしく まもればや 地の久しくて 光つきせぬ

青柳隆志
みやまひを したまふきみの 御身にぞ 光あれかしと 常におもほゆ

兼築信行
秋のみやに あまたの としをかさねきて ひかりみちたり けふのよきひも