令和元年12月9日(月)

兼題「浜」

加藤晴乃
冬の浜 歩めば かをる 松の香と 潮風のにほひ いにしへ思ほゆ

仲谷嘉洋
しろたへの はまのまさごに たつとりの つねにもがもな つきはてらせり

笠原雄二
網地(あぢ)のしまの しろきすなはま なみしづか てれり さえゆく ままにまばゆく

菅原秀太
おほにへに ささぐるたのみ ゆきとすきの ながめをうつす しろかねのはま

スニトコ・タチアナ
よるぎ浜 霧に曇った 松林 輝く小石 月も昔や

森下正博
北の海に みめ麗しき はまなすの すぐるる色は 民をなごます

高橋英子
はまなすの はなくれなゐに にほひたち みそらははれて にじきらめけり

吉野清美
冬浜の 水の面に 陽がさして きらめける波に シャッターを切る

三宅やよい
爪あとの 残れる浜に たたずみて よろづをさておく 祈りたふとし

天之原詩恩
三陸の なぎさに白き 浜菊は 咲きつづけ空に 立待の月(たちまちのつき)

天之原泰洸
津波襲う 三陸ホテル はまぎくを たまはりていま 再建なれり

林 純一
ふるさとの ゆかりも深き 浜薔薇(はまなす)の 雅(みやび)なること この上なしや

青柳隆志
いにしへの すめらみことの 州浜には しろがねの鶴 むかひて立てり

兼築信行
ひろびろと みしるしのはな おもひやれば ピリカがわらふ しれとこのうみ