令和2年11月25日(水)

兼題「恵」(題者 林 純一先生、選者 青柳隆志先生)

別格
兼築信行
みづうみの めぐみゆたけき ふるさとに わきてあぢよし やまとしじみは

宍道湖の恵み、雲州の誇りしみじみと。

青柳隆志
御恵与の 家集ひもとき 我もまた 先考先妣の 恩重おもほゆ

『改元前後』に亡き父母思ふこと頻り。

第一席
林 純一
今は亡き 師にたまはれる みめぐみの 露にぬれつつ 涙せきあへず

真情あふるる、御恵み深し。

第二席
仲谷嘉洋
にひなめの 祭すむまで 米どころの 友のめぐみは 炊かずに待たむ

新嘗祭の故事にかなへり。

第三席
高橋英子
おだやかに すぐるくらしの なかにみてる ひびのめぐみを おもひさとりぬ

日々の暮らしに恵みあり。

詠進歌

仲谷嘉洋
にひなめの 祭すむまで 米どころの 友のめぐみは 炊かずに待たむ

宮 廣美
塩釜の 浜のめぐみの 地ざかなは 握られてけり 板皿のうへに

笠原雄二
ひとの恵み うけてよはひを かさねきぬ そのおかへしは できているのか

菅原秀太
くれなゐの あきのめぐみの くだものを かはむきてくふ ときのうれしさ

森下正博
さまざまに 恵みをうけて こはそだつ われのをさなき 日々はいかにぞ

三宅やよい
わがみざまの 恵まれたるを 聞きし日に 見ゆる世界は ひかりとなりぬ

加藤晴乃
紅葉狩り 山の奥へと 分け入りて 天地の恵み 仰ぎ見るなり

荒川克美
水を引き たきぎ燃やして 風呂わかす 山の恵みよ 身は温かし

高橋英子
おだやかに すぐるくらしの なかにみてる ひびのめぐみを おもひさとりぬ

林 純一
今は亡き 師にたまはれる みめぐみの 露にぬれつつ 涙せきあへず

大原 稔
かみめぐみ しもはたのしぶ みよにあひて 玄猪のもちひ くひてうたはむ

兼築信行
みづうみの めぐみゆたけき ふるさとに わきてあぢよし やまとしじみは

青柳隆志
御恵与の 家集ひもとき 我もまた 先考先妣の 恩重おもほゆ