令和3年7月3日(土)

兼題「梅雨」(題者 林 純一先生、選者 青柳隆志先生)

別格
兼築信行
つゆいりの ひよりかぞへて いまいくか をやみ をやみに あまつみづふる

選者
青柳隆志

暇無み つゆのひぬまも やすらはで たつきをたつる さみだれのころ

第一席
大原 稔
五月雨の 雲間のいそぎ 北野なる 大福梅は 穫り入れの時

祈念息災

第二席
菅原秀太
とつくにの ことばにみづの うつはてふ ながめにぬれて あぢさゐはさく

希臘

第三席
高橋英子
すくすくと たのもにいねは そだちゆく みづほのくにの つゆのめぐみに

豊穣

詠進歌

星わにこ
雨ごもり 色みし梅の 実を漬けて 琥珀の酒に 変わる日を待つ

スニトコ・タチアナ
つゆの月 山の青葉に 光たま 草木の涙 あめの恵みよ

笠原雄二
梅の実は いつしか落ちぬ つゆの雨に 濡れて小鳥は 枝に宿れり

加藤晴乃
秋川の 渓(たに)の紫陽花 木漏れ陽は 雫に映ゆる 梅雨の小止(おや)みに

菅原秀太
とつくにの ことばにみづの うつはてふ ながめにぬれて あぢさゐはさく

高橋英子
すくすくと たのもにいねは そだちゆく みづほのくにの つゆのめぐみに

三宅やよい
会へること 会へぬことにも 意味ありて あふぐ夕空 梅雨明けちかし

林 純一
梅雨に入りぬ ふりそめにける 御社の 紫陽花の花 色うつりゆく

大原 稔
五月雨の 雲間のいそぎ 北野なる 大福梅は 穫り入れの時

兼築信行
つゆいりの ひよりかぞへて いまいくか をやみ をやみに あまつみづふる

青柳隆志
暇無み つゆのひぬまも やすらはで たつきをたつる さみだれのころ