令和4年3月31日(木)

兼題「春恋」(題者 菅原秀太、選者 青栁隆志)

別格
兼築信行
さくらさく とほやまどりの しだりをの ながながしひを こひわたるかも

選者
青栁隆志
あざれたる 大君姿 桜がさね 直衣布袴の 君ぞこひしき

第一席
仲谷嘉洋
あはですぎし はたとせあまり ふゆごもり はるのよのゆめ きみのてをとる

第二席
菅原秀太
はるのあめ こひがんざくらは ひたぬれて しのぶるよるに はなぞちりゆく

第三席
林 純一
こころざし 浅くはあらず 春の日に 色を染めます 花の一枝

詠進歌

池田悠人
卒業式 母校懐かし 淡き恋 過ぎにし春ぞ ただ懐かしき

阿部友香
マカデミア ナッツを添へむ チョコレート 君おもひつつ つくるきさらぎ

加藤晴乃
君と歩む 竹下通り 仲らひは 縮まらぬまま 春も過ぎゆく

仲谷嘉洋
あはですぎし はたとせあまり ふゆごもり はるのよのゆめ きみのてをとる

笠原雄二
スペインの 「春の恋」てふ 曲聴けば はずみ明るく 恋がしたくなる

菅原秀太
はるのあめ こひがんざくらは ひたぬれて しのぶるよるに はなぞちりゆく

岸志津佳
木蓮の 花 春雨に 濡れそぼち 恋しき人よ つつがなくあれ

三宅やよい
ただ一度 こひて手にせし 学ランの ボタンは予備の 袋に入りし

高橋英子
はるのかをりに おもひいだしぬ とほきひの 切なくもまた はかなきおもひ

森下正博
一羽きて 山鳩春を 告げ行きぬ つがひとなるは いつの日ならむ

林 純一
こころざし 浅くはあらず 春の日に 色を染めます 花の一枝

大原 稔
たちかへる はるしなければ いまさらに こひしといふも たのまれぬかな

兼築信行
さくらさく とほやまどりの しだりをの ながながしひを こひわたるかも

青栁隆志
あざれたる 大君姿 桜がさね 直衣布袴の 君ぞこひしき