令和4年4月30日(土)

兼題「惜春」(題者 仲谷嘉洋様、選者 青栁隆志先生)

別格
兼築信行
ゆくはるを をしとおもへど ふぢなみの はなにこころは たゆたひにけり

選者
青栁隆志
惜しめども とまるものにし あらざれば 次来む春を はや待ちかねつ

第一席
林 純一
葉桜や ただ一輪の 花ありて 春は名残りの 色を残せり

第二席
田上富美子
散り敷ける 老い木の花を 掃き集め 春を惜しめり また咲けよとて

第三席
大原 稔
双調の しらべにひびく 琵琶おもし さりゆくはるを をしみ いだけば

詠進歌

池田悠人
咲き乱れ 花はうつろひ ふりしきぬ ゆく春げにも 惜しくあるかな

阿部友香
新緑の 並木通りを 風は吹き 僅か残れる 花を散らしぬ

加藤晴乃
君を待つ 道のほとりに 花は散りて いつしか春を 惜しむこのごろ

田上富美子
散り敷ける 老い木の花を 掃き集め 春を惜しめり また咲けよとて

森下正博
新たなる 緑の息吹 いま春を 惜しみ 過ぐれば 奮ひ立つべし

笠原雄二
うぐひすも 教へを乞ひし 笛の音よ 春の調べは なお響かなむ

三宅やよい
ことしまた さかづきなきまま 八重さくら 散りゆく道を ゆるゆる歩く

菅原秀太
ともしびを そむけてあふぐ はるのよの つきのかげこそ あはれなりけれ

林 純一
葉桜や ただ一輪の 花ありて 春は名残りの 色を残せり

大原 稔
双調の しらべにひびく 琵琶おもし さりゆくはるを をしみ いだけば

兼築信行
ゆくはるを をしとおもへど ふぢなみの はなにこころは たゆたひにけり

青栁隆志
惜しめども とまるものにし あらざれば 次来む春を はや待ちかねつ