令和4年6月30日(木)

兼題「寄雨恋」(題者 菅原秀太、選者 青栁隆志)

別格
兼築信行
をやみだに せぬさみだれの あししげく かよひゆけども きみにあはぬかも

選者
青栁隆志
降る雨の 音聞くときは 恋ひわたる 日々をおもひて ながめせらるる

第一席
林 純一
あぢさゐの 濡るる茶房の 窓越しに 君が傘さす 姿みとむる

第二席
笠原雄二
藤の花に そそげる雨は つたひきて 君待つ吾を おどろかしたり

第三席
加藤晴乃
梅雨は続き 木立は香る 傘越しの 君の笑顔は 愛しかりけり

詠進歌

阿部友香
雨降らば ひとつ小さき 傘のうち 君に寄り添ひ 駅まで行かむ

笠原雄二
藤の花に そそげる雨は つたひきて 君待つ吾を おどろかしたり

加藤晴乃
梅雨は続き 木立は香る 傘越しの 君の笑顔は 愛しかりけり

荒川克美
かの人を 思ひ心は 騒ぎ出す 我を鎮めよ ひとしほの雨

三宅やよい
ふりしきる 窓の雫の ひかりをり 交はした言の葉 今もあざやか

菅原秀太
かたよせて ひとつのかさで さるかげを われやながめむ あめのゆふぐれ

林 純一
あぢさゐの 濡るる茶房の 窓越しに 君が傘さす 姿みとむる

大原 稔
わがこひは かさとりやまに ふるあめの はれせぬおもひ しるはくものみ

兼築信行
をやみだに せぬさみだれの あししげく かよひゆけども きみにあはぬかも

青栁隆志
降る雨の 音聞くときは 恋ひわたる 日々をおもひて ながめせらるる