「歌はただよみあげもし、詠じもしたるに、なにとなくえんにもあはれにもきこゆる事のあるなるべし」 藤原俊成

平成28年 披講歌一覧

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平成28年披講学習会歌会始「人」

①(上甲調、講師 菅原秀太、発声 大原稔)兼築信行 **

人々のひとりひとりが火と燃えてひと色になる世はおぞましき

②(甲調、講師 井沢真紀、発声 シェーン・ハリス)吉野清美**
果てしなきふるさとの海の朝ぼらけ我一人立つあらき御崎に

③(甲調、講師 高橋栄子、発声、吉野清美)菅原秀太**
あか糸を結ぶがごとき披講譜の文字つむぎゆく歌人のこゑ

④(甲調、講師 兼築信行、発声 青柳隆志)シェーン・ハリス*
ももしきの大宮人も通ひたる赤松しげるびわ殿の跡

⑤(甲調、講師 兼築信行、発声 シェーン・ハリス)青柳隆志****(第三席)
左右選みし歌を合はすればきほひていどむ念人どち

⑥(甲調、講師 シェーン・ハリス、発声 菅原秀太)大原 稔*
あら玉の年のはじめを祝はむと人むれつどふ原宿のえき

⑦(甲調、講師 伊藤久乃、発声 青柳隆志)天之原詩恩***
人々と和歌を歌ひて言祝げば初春の候明き陽のさす

⑧(甲調、講師 伊藤久乃、発声 シェーン・ハリス)井沢真紀******(第二席)
須売呂伎の祈り伝はる我が国はあをひとくさのしげる世々なり

⑨(乙調、講師 青柳隆志、発声 大原稔)高橋栄子********(第一席)
人の世は味はひ深しかんれきやあかごにかへる初春の朝

⑩(甲調、講師 青柳隆志、発声 大原稔)多田知代子***
眉白き匠のつくれる人形はかたへに笑まふ老女にも似て

⑪(甲調、講師 大原稔、発声 青柳隆志)荒川克美**
初春の清らかな街静かにてげに騒がしき人の思ひよ

⑫(乙調、講師 大原稔、発声 シェーン・ハリス)田上富美子****(第三席)
人に出会ひ言葉を交し友となるこころは踊り世界広がる

⑬(甲調、講師 大原稔、発声 青柳隆志)加藤晴乃**
富士の山朝日と登り涙出づ広き世界に人は小さき

⑭(乙調、講師 大原稔、発声 青柳隆志)伊藤久乃****(第三席)
天つ風瑞垣の内を吹き通るひとの声もて神に届けと

⑮(乙調、講師 大原稔、発声 シェーン・ハリス)金住昌美**
密林の奥に潜みて永き日をたへたる人あり虹空に立つ

⑯(甲調、講師 吉野清美、発声 シェーン・ハリス)笠原雄二
神楽果て振舞酒をのみ上げてとしを占ふ待ち人は誰そ

⑰(乙調、講師 吉野清美、発声 青柳隆志)星わにこ**
年のはじめ会ひし従兄の白き鬢人のやさしさ面影に出づ

伊勢神宮外宮奉音披講

披講諸役

読師 菅原秀太、講師 林 純一、発声 青柳隆志、
講頌 天之原泰洸、天之原詩恩 吉野清美、シェーン・ハリス、三宅やよい、伊東祐子

井沢真紀、伊藤久乃、高橋栄子、金住昌美、荒川克美、加藤晴乃、笠原雄二、
木下普伍、田上富美子、岸志津佳、佐藤明美

①あめつちの 神にぞいのる 朝なぎの 海のごとくに 波たたぬ世を(昭和天皇御製・昭和八年・朝海)序歌、甲調

②さし出づる 朝日に映えて 神風や 伊勢の宮居ぞ 高く聳ゆる(兼築信行)乙調

③君が代は つきじとぞ思ふ 神風や みもすそ川の すまむかぎりは(後拾遺和歌集・源経信)上甲調

④神風や 五十鈴の川の 宮ばしら 幾千代すめと たてはじめけむ(新古今和歌集・藤原俊成)甲調

⑤み遷りの 近き宮居に 仕ふると 瞳静かに 娘は言ひて発つ(皇后陛下御歌・平成二十六年歌会始・静)乙調二反

⑥あまたなる 人らの支へ 思ひつつ 白木の冴ゆる 新宮に詣づ(天皇陛下御製・平成二十六年・神宮参拝)上甲調二反、甲調

⑦何事の おはしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる(伝西行)終歌、甲調

リンク 「せんぐう館レポート」

伊勢二見浦当所当座歌會

平成28年6月20日、朝日館尾花の間、短冊披講

御奉納の前夜、お宿にて当座歌会を催しました。
全員が順繰りに講師となって読み上げ、左隣の方が発声を務め、皆で唱和をいたしました。

青柳隆志
玉くしげ二見が浦のしきなみに御足ひたしていでたつをとめ

林純一
とこわかの杜にふく風声となり歌とともにや響きわたらむ

天之原泰洸
幼き日父と遊びし神宮でかたじけなくも和歌披講する

天之原詩恩
天照らす日のお陰をばいただきて美し国にぞ住むぞうれしき

吉野清美
きざはしをのぼりのぼりてめぐり逢ふ光に満ちた貴き宮に

菅原秀太
二見でも恋に恋する甲斐もなくかたがはだけの白き貝がら

三宅やよい
とようけの神に奉る歌七首まがたま池に響きさざめく

伊東祐子
かしこみて祈りうたふる神風や伊勢のこころに想ひ叶へと

井沢真紀
道彦の声高らかな大祓海原ひびく夏至の祈りは

伊藤久乃
夏至前に気持ち高ぶる伊勢参り汗をおさむる赤福氷

金住昌美
三年経ち白木の色もあめ色に心静かに神前に詣づ

高橋英子
かみかぜにみのうちあらはれつきなみをむかふるみやゐ人のつどひて

加藤晴乃
神風の香誘はれ伊勢に着き素晴らしき世を祈るよともに

荒川克美
山合ひを流るる水の静けさを見守りたまふ瀧原宮

田上富美子
瀧原紫陽花ゆれる森の宮せせらぎの音に心あらはれる

木下晋伍
初めての伊勢の披講の神事ごと空にも届く日本晴れ

笠原雄二
伊勢の海はるかに凪いだ風受けて心静かに響け歌声

佐藤明美
光さすみどりの斎庭にいのり満ち歌を奏でる和して奏でる

岸志津佳
東より神風の如く速やかに我伊勢に居る初夏の夕暮れ

古今伝授 歌会 兼題「道」(題者 吉野清美)

甲調(※講師・林純一 発声・笠原雄二)
東京都 笠原雄二
とびこみし 伝承のわざ 歌の道 言葉の花を みなが活けあふ

甲調(※講師・天之原詩恩 発声・加藤晴乃)
埼玉県 加藤晴乃
道に迷ひ 夜空を見上ぐ 明日へと 果てなく続く 歩みはじまる

甲調(※講師・井沢真紀 発声・伊藤久乃)
東京都 吉野清美
さし昇る 朝日の照らす この道を ともに歩まむ 微笑む君と

甲調(※講師・天之原詩恩 発声・金住昌美)
東京都 田上富美子
透き通る 朝の空気を 吸ひこめば 鳥も寄り道 我をおとのふ

甲調(※講師・林純一 発声・天之原泰洸)
東京都 平居宏朗
われゆかん 一本の道 けものみち あとは野に果て 風とおどらん

甲調(※講師・林純一 発声・菅原秀太)
埼玉県 菅原秀太
宮城野の 萩の白露 散る道を 今しも鹿の 鳴きて過ぐらむ

乙調(※講師・井沢真紀 発声・金住昌美)
東京都 金住昌美
たらちねの 母のみもとへ 通ふ道 行きかふ人に なつかしき顔

乙調(※講師・天之原詩恩 発声・高橋英子)
東京都 多田知代子
夕暮の 道を歩めり 水色の あのワンピース 似合ひし吾子と

甲調(※講師・林純一 発声・大原稔)
東京都 大原 稔
踏む靴の 跡もつかざる 尾根道に 音のみ響く 固雪の朝

甲調(※講師・林純一 発声・青柳隆志)
千葉県 ハリス シェーン
鯨(いさな)取り 海の道ゆく 外つ国の 父(かぞ)が帆を張る 朝のしづけさ

甲調(※講師・天之原詩恩 発声・高橋英子)
山梨県 天之原詩恩
折り折りの 心をのせて 五七五と 歌ひてゆかん 敷島の道

甲調(※講師・天之原詩恩 発声・伊藤久乃)
東京都 伊藤久乃
祈りつつ ぬかるむ道を 社へと 行けばいつしか 雨はあがりぬ

甲調(※講師・林純一 発声・天之原泰洸)
山梨県 天之原泰洸
湯を沸かし ただ茶を立つる ことこそが 茶の湯の道と なればやすけれ

乙調(※講師・井沢真紀 発声・加藤晴乃)
東京都 岸 志津佳
ひと筋の 線とならざる 気まぐれの 和音奏でて 我の行く道

甲調(※講師・林純一 発声・大原稔)
東京都 水津 茂
おん祭り 若宮舁(か)かれし 神官の 吐く息白く 道を示せり

甲調(※講師・井沢真紀 発声・伊藤久乃)
千葉県 井沢真紀
春日なる 御前(みまへ)長しき 砂ずりの 匂ひ宮道(みやじ)へ 飛火野原(とぶひのはら)に

甲調(※講師・林純一 発声・青柳隆志)
千葉県 青柳隆志
聞道(きくならく) 如来大悲の 恩徳(おんどく)は 身を粉にしても 報ずべきなり

甲調(※講師・天之原詩恩 発声・金住昌美)
東京都 佐藤明美
大空に 浮かべる月の 道しるべ いざなふ風よ 木の葉ささやく

甲調(※講師・林純一 発声・笠原雄二)
東京都 中村孝之
人の世は 苔むす道の 如くなり きのふは見えぬ 今日のはり道

甲調(※講師・天之原詩恩 発声・高橋英子)
東京都 高橋英子
かずかずの わかるる道を 選びつつ けふに至るを ありがたしと思ふ

乙調(※講師・井沢真紀 発声・金住昌美)
埼玉県 荒川克美
しづかなる 心の声に 耳を澄ませ 歩みてゆかむ おのれの道を

甲調(※講師・林純一 発声・シェーン・ハリス)
東京都 林 純一
一本の 果てしなき道 とほりたり たまきはるわが いのちなりけり

東京都 富田真里香
道なかば なれども光る ひとみこそ まことつらぬく 力なりけれ

神奈川県 三宅やよい
音楽の 道ひたすらに 四十(よそ)とせの 夢の続きを 信じて歌ふ

埼玉県 石川純子
満ち満ちて たゆたゆ揺るる 甕の水 あふれて流れて 道となるなり

東京都 木下晋伍
剣太刀 鞘に入るたび こころする 道の学びを 忘ることなく

埼玉県 兼築信行
丘を越え 林へと続く ひとすちの 道駆けてゆく 吾子の背まぶし

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