平成21年5月10日、アンドーラ在住の詩人、ジェームズ・カーカップ氏が、脳梗塞のため91歳の生涯を閉じました。

イギリス中部の港町サウスシールズで1918年に生まれた彼は、名門ダラム大学で学び、1947年に詩集「The Drowned Sailor」で詩人としてデビューしました。1950年に新設されたリーズ大学のグレゴリー・フェローシップの最初の対象詩人となり(~1952年)、バース芸術学校の客員教授を経て、1959年に東北大学教授として招聘されて日本に渡り、以後日本女子大学、名古屋大学で30年余りにわたって教鞭をとり、この間、英国王立協会の文学部門の協会員に選出されています(1962年)。

平成9年(1997年)の宮中歌会始の陪聴者となり、この際、学士会館において、星と森伊藤一夫主催のレセプションが行われました。この縁により、平成11年(1999年)に始まった星と森国際短歌大会では、英語部門の選者を10年にわたり務めていただきました。その真摯で時に辛辣でさえあった選評に、英語短歌の第一人者としての矜恃を見ることが出来ました。

謹んで哀悼の意を表します。