令和元年12月30日(月)

兼題「あけぼの」

仲谷嘉洋
よもすがら はしる列車の まどをあかく そめしあけぼの いまありありと

シェーン・ハリス
薔薇(さうび)なる 曙まだき 八十島の エーゲの海に 舟を出だしつ

笠原雄二
一歩また 一歩さがしき いはみちを のぼるいつしか 富士はあけぼの

菅原秀太
あらたしき みよをむかへて あけぼのの 大地しつかと われはふみしむ

スニトコ・タチアナ
年神は きらめく夢を 家々に 「弥栄」祈る 曙の富士

森下正博
江の島や あけぼのに竿を 振りいだし こころ静かに 波の音聞く

高橋英子
あらたしき みよのあけぼの すぎのきは ゆるぎだにせず あめつちつなぐ

吉野清美
ふるさとの しまかげかすむ 一湾に うらうら昇る 春のあけぼの

三宅やよい
あめつちの かみもしづまる あけぼのの そらにひとつぶ ほしはまたたく

天之原詩恩
新しき 時代(とき)のあけぼの ONE TEAM 熱き想ひは 世界を開く

林 純一
見上ぐれば 光さやけき 星ひとつ はろけく遠し あけぼのの空

大原 稔
ひととせは ゆきふるさとに くれはてて けふあらたまる はるのあけぼの

兼築信行
はるくれば やうやうしろく なるそらに あすののぞみも みえわたるなり

青柳隆志
年明けの 曙光を見つつ 思ひやる 伊勢の浜辺の 和歌の調べを