平成27年7月4日(土)
東京都、武蔵御嶽神社の御神前において献詠披講を行いました。
歌会披講諸役(宝寿閣)
読師 | 吉野清美 | 初 |
講師 | 天之原泰洸 | |
発声 | 天之原詩恩 | |
講頌 | 全員 |
文台・懐紙・座礼・狩衣披講
夏日同詠風和歌十七首(懐紙十四首、短冊三首)
(甲調)埼玉県 加藤晴乃
風渡る水面に浮かぶ桜花花弁ひとひら我のもとにも
(甲調)東京都 高橋栄子
背なの子は寝息かすかに夕暮れの風と歌ふは舞ふ落ち葉たち
(甲調)東京都 伊藤久乃
五十鈴川ほし降るあした風渡りわが身に染むる神鶏(しんけい)の声
(甲調)山梨県 天之原泰洸
雪残る高き峯より吹き下ろすまつさらな風心をあらふ
(甲調)山梨県 天之原詩恩
天翔る風神様のお告げ文空に大きくすぢ雲の書く
(甲調)東京都 井沢真紀
きふね川龍神のゐますせせらぎを風は下りてあじさゐのたき
(乙調)東京都 ハリス・シェーン
元出雲の田居のうへなる鱗雲槙の葉ゆする秋のはつかぜ
(乙調)東京都 金住昌美
吹く風にたかねの雲もはれ行きて祈る人々音禅法要
(乙調)東京都 吉野清美
花散らす風にあらがひ急ぎ行くこひしき人の待つあの店へ
(乙調)東京都 大原稔
かなかなの啼く山かげのそま道に風よりほかは通ふものなし
(上甲調)埼玉県 菅原秀太
振り向けば萩もうつろひ秋風のまにまに去りし君の背を追ふ
(甲調)千葉県 青柳隆志
きざはしをのぼりのぼりて見はるかす琴平の町ゆ春の風ふく
(乙調二反)東京都 林純一
風渡りさやぐ浅茅の末葉より露散りそむる秋の村雲
(上甲調二反、甲調一反)埼玉県 兼築信行
おほくちの真神導く御岳やま雲吹き払ふ風のはげしさ
【短冊披講】
(乙調)山口恵理
ペダル漕ぐ足緩むれば雑踏に髪たなびかす甘き潮風
(乙調)鈴木映見加
たまゆらに吹き寄する風とらへむと幼な手を伸ぶいだかれしまま
(乙調)三宅やよい
「風邪ひくよ」毛布をかける母の声遠くに聞きて眠りおちゆく