平成28年12月18日(日)
東京都江戸川区立行船公園源心庵において、古今伝授の再現および歌会を行いました。
古今伝授についてはこちら。

読師 シェーン・ ハリス

懐紙・文台・装束・座礼披講

兼題「道」(題者 吉野清美)

甲調(※講師・林純一 発声・笠原雄二)
東京都 笠原雄二
とびこみし 伝承のわざ 歌の道 言葉の花を みなが活けあふ

甲調(※講師・天之原詩恩 発声・加藤晴乃)
埼玉県 加藤晴乃
道に迷ひ 夜空を見上ぐ 明日へと 果てなく続く 歩みはじまる

甲調(※講師・井沢真紀 発声・伊藤久乃)
東京都 吉野清美
さし昇る 朝日の照らす この道を ともに歩まむ 微笑む君と

甲調(※講師・天之原詩恩 発声・金住昌美)
東京都 田上富美子
透き通る 朝の空気を 吸ひこめば 鳥も寄り道 我をおとのふ

甲調(※講師・林純一 発声・天之原泰洸)
東京都 平居宏朗
われゆかん 一本の道 けものみち あとは野に果て 風とおどらん

甲調(※講師・林純一 発声・菅原秀太)
埼玉県 菅原秀太
宮城野の 萩の白露 散る道を 今しも鹿の 鳴きて過ぐらむ

乙調(※講師・井沢真紀 発声・金住昌美)
東京都 金住昌美
たらちねの 母のみもとへ 通ふ道 行きかふ人に なつかしき顔

乙調(※講師・天之原詩恩 発声・高橋英子)
東京都 多田知代子
夕暮の 道を歩めり 水色の あのワンピース 似合ひし吾子と

甲調(※講師・林純一 発声・大原稔)
東京都 大原 稔
踏む靴の 跡もつかざる 尾根道に 音のみ響く 固雪の朝

甲調(※講師・林純一 発声・青柳隆志)
千葉県 ハリス シェーン
鯨(いさな)取り 海の道ゆく 外つ国の 父(かぞ)が帆を張る 朝のしづけさ

甲調(※講師・天之原詩恩 発声・高橋英子)
山梨県 天之原詩恩
折り折りの 心をのせて 五七五と 歌ひてゆかん 敷島の道

甲調(※講師・天之原詩恩 発声・伊藤久乃)
東京都 伊藤久乃
祈りつつ ぬかるむ道を 社へと 行けばいつしか 雨はあがりぬ

甲調(※講師・林純一 発声・天之原泰洸)
山梨県 天之原泰洸
湯を沸かし ただ茶を立つる ことこそが 茶の湯の道と なればやすけれ

乙調(※講師・井沢真紀 発声・加藤晴乃)
東京都 岸 志津佳
ひと筋の 線とならざる 気まぐれの 和音奏でて 我の行く道

甲調(※講師・林純一 発声・大原稔)
東京都 水津 茂
おん祭り 若宮舁(か)かれし 神官の 吐く息白く 道を示せり

甲調(※講師・井沢真紀 発声・伊藤久乃)
千葉県 井沢真紀
春日なる 御前(みまへ)長しき 砂ずりの 匂ひ宮道(みやじ)へ 飛火野原(とぶひのはら)に

甲調(※講師・林純一 発声・青柳隆志)
千葉県 青柳隆志
聞道(きくならく) 如来大悲の 恩徳(おんどく)は 身を粉にしても 報ずべきなり

甲調(※講師・天之原詩恩 発声・金住昌美)
東京都 佐藤明美
大空に 浮かべる月の 道しるべ いざなふ風よ 木の葉ささやく

甲調(※講師・林純一 発声・笠原雄二)
東京都 中村孝之
人の世は 苔むす道の 如くなり きのふは見えぬ 今日のはり道

甲調(※講師・天之原詩恩 発声・高橋英子)
東京都 高橋英子
かずかずの わかるる道を 選びつつ けふに至るを ありがたしと思ふ

乙調(※講師・井沢真紀 発声・金住昌美)
埼玉県 荒川克美
しづかなる 心の声に 耳を澄ませ 歩みてゆかむ おのれの道を

甲調(※講師・林純一 発声・シェーン・ハリス)
東京都 林 純一
一本の 果てしなき道 とほりたり たまきはるわが いのちなりけり

東京都 富田真里香
道なかば なれども光る ひとみこそ まことつらぬく 力なりけれ

神奈川県 三宅やよい
音楽の 道ひたすらに 四十(よそ)とせの 夢の続きを 信じて歌ふ

埼玉県 石川純子
満ち満ちて たゆたゆ揺るる 甕の水 あふれて流れて 道となるなり

東京都 木下晋伍
剣太刀 鞘に入るたび こころする 道の学びを 忘ることなく

埼玉県 兼築信行
丘を越え 林へと続く ひとすちの 道駆けてゆく 吾子の背まぶし