このゴールデンウィークに、
当HPのページビューが1万回を超えました。
昨年10月20日にリニューアルオープンをしましたが、
1年くらいで大台に乗ってくれたらと淡い期待をしておりました。
風薫るこの季節での嬉しいニュースとなったのは、
ひとえに、ご訪問いただきました皆様のおかげと、心より感謝申し上げます。
とくに先月から、一気にページビューが増えました。
その理由は、当会が参加する舞台が今月24日に行われるためと思われ、
連日のように、告知ページへのご訪問を頂いております。
舞台の詳しい内容はご案内しておりませんでしたが、
本日はせっかくの1万ビュー記念ということで、
少しだけ内容をご紹介したいと思います。
主人公となるのは、平安末期から鎌倉初期の女流歌人・建礼門院右京大夫。
栄華を極めた平清盛の娘である高倉天皇の中宮・徳子に仕えた才女であり、
藤原隆信、平資盛と恋仲にあったとも言われます。
多くの和歌を詠み「建礼門院右京大夫集」としてまとめられました。
長文の詞書が書かれているため、歌物語や女流日記文学のようでもあり、
平家の盛衰という動乱の時代を生き抜いた中で詠まれた和歌は、
優しさとせつなさで満ちています。
今回の舞台ではその「建礼門院右京大夫集」を題材とし、
和歌披講を通して彼女の半生をたどります。
たとえばNHKの大河ドラマで建礼門院右京大夫を主人公とするならば、
映像の力を駆使して彼女の経験した出会いと別れを表現することとなるのでしょう。
平成17年の大河ドラマ「義経」の壇ノ浦では、
義経役の滝沢秀明さんが金粉が舞い散る中、軽やかに船から船へと跳びうつり、
幻想的なシーンとして、華やかさとともに儚さが描かれ、今も印象に残っています。
しかしそこは当会が参加する舞台ということで、
和歌の披講で、というのが当会ならではといったところでしょうか。
披講においては、主役はあくまで和歌そのものです。
先日、装束をつけた形の通し稽古が初めて行われましたが、
一観客として見ていると、
出演者の所作や装束の様子が、まるで詞書ような風情にも感じられました。
そうして和歌が読み上げられると、
和歌に込められた想いがより実感される気がいたしました。
現代にあっては、
和歌とは目で読むことがほとんどであり、
耳だけで聞いて味わうというのは慣れない部分もあるかもしれません。
願わくは、ご来場のみなさまに、
披講を通した和歌の鑑賞を楽しんでいただければと存じます。
芥川賞を史上最高齢の75歳で受賞された黒田夏子先生は、
受賞のコメントでこのように仰られておりました。
「生きているうちに見つけてくださいまして、本当にありがとうございました」
建礼門院右京大夫が集をまとめることとなったのは、
70代も過ぎた頃、藤原定家の求めに応じたのがきっかけでした。
この集の巻頭歌は次の一首で始まります。
「われならで たれかあはれと 水茎の 跡もし末の 世に伝はらば」
わたくし以外のいったい誰が、しみじみと見てくださいましょうか、
このわたくしの歌集が、もしのちの世まで残ったとしても。
800年のときを超えて、
建礼門院右京大夫の想いが、平成の御世、皆様に届きますよう、
出演者一同、更に稽古に励みたいと存じます。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
チケットのご用命はこちらまで。
出演:女楽「右京大夫残照~和歌をうたう~」
日時:平成28年5月24日(火)16:30開演 日本橋・三越劇場
チケットのご用命は下記までお願い申し上げます。
「オフィスくれぃお」(03-3402-3740)