学習会では、あらかじめ題を決めて歌を作る事が多いと思います。
題を出されたら、その背景にある意図を良く考え、何を読むべきか考える必要があります。
昨今の作歌では、題にある文字を含まれれば良いという考え方もあります。
しかし、題詠の場合には、必ずそれが出された背景があります。
それは、季節であり、趣向であり、状況でもあります。
作られる和歌は、これらを踏まえた風景や状況を読み込む必要があります。
極論をすれば、題詠にある文字が無くとも、その題を読む事も可能です。
裏返せば、題にある文字が和歌にあっても、その背景や風景が読まれていない和歌には、魅力が減少してしまいます。
題が出たら、その背景を良く考えて、必要ならば資料を調べて作歌に臨みましょう。
当会では、結び題として「春風来海上」のように、二つ以上の趣向が組み合わさったものが出る時があります。
このような場合は、春風も、海も読む必要があり、内容が一方に片寄っても駄目。春風も海上も読み込み、しかも相互に呼応している事が最も良い歌とされています。
歌を発表し、入れ札で評価した場合に、良い歌でも票が入らない。 それほど良い歌でなくても、票が集まる事があります。
これは、題の心を、どれだけ読み込んでいるかも含めて評価されているからです。
題詠では、歌そのものの良さと、題の心をとらえて表現する事は、別の評価軸である事には注意が必要です。