令和2年7月27日（月）
兼題「二星」（題者 青柳隆志）
第一席
兼築信行
ほしとほしと たまたまあひて よもまさに あくるすずしき かぜぞふきくる
和漢兼作の妙、「二星適逢 未叙別緒依々之恨 五更将明 頻驚涼風颯々之声」
を過不足なく存分に詠まれたり。
第二席
星わにこ
ひととせに ひとたびとても あふことの かなふ二星（じせい）は げにうらやまし
漢語「二星」を詠み据うるは易きわざにはあらぬが、歌柄すぐれたり。
第三席
菅原秀太
あまのはら くもらしめてや ふたぼしは ひとめはばかり あはむとすらむ
天候の不順を隠ろへたる恋によみなせしわざまへ、善哉善哉。
詠進歌
星わにこ
ひととせに ひとたびとても あふことの かなふ二星（じせい）は げにうらやまし
黒田宜子
おのづから 二星となりし この世には 想ひ伝へむ 五更明くるも
森下正博
あまのがはを たらひにうつし ふたつぼし ひとつにすべく みなもかきたり
笠原雄二
あめのうちに はたおるおとは かそけくも あまのかはらに ひびきゆくなり
菅原秀太
あまのはら くもらしめてや ふたぼしは ひとめはばかり あはむとすらむ
スニトコ・タチアナ
天（あめ）の海に 星と星との 逢ふ瀬には 縁を結ぶ 五色（いついろ）の糸
荒川克美
今宵はた 星の涙か 天の川 光を雨に 代へて降らせよ
高橋英子
あめはふる くものとばりの かなたには ときよとまれと ほしまつるらむ
吉野清美
ふたぼしの いづるをまちて かぢのはに おもひしたため たむけつるかな
天之原詩恩
ふた星を 祀りておもふ ぬばたまの 夜空にひかる 人のみたまを
林 純一
ひととせに ひとたびあふせ たなばたの ほしのさだめを おもひやるかな
大原 稔
ふたつぼし くもゐはるかに かがやけば いへぢをいそぐ こらのうたごゑ
兼築信行
ほしとほしと たまたまあひて よもまさに あくるすずしき かぜぞふきくる
青栁隆志
いにしへゆ 乞巧奠に ひびきしは 二星たまたま あへりのもろ聲
三宅やよい
あへぬよの 思ひながるる 梶の葉よ ニ星のごとく つとめ果たさむ
