令和3年2月24日(水)
兼題「雪」(題者 青柳隆志先生)
第一席
高橋英子
ゆきのごと けだかきいろの ころもきて つとめをはたす ひとらたふとし
時宜にかなへり
第二席
菅原秀太
ひとつだに あとなきにはの ゆきのおもに ふみいだすごと このとしたちぬ
静謐の中に新年を迎へり。
第三席
吉野清美
ランドセル ましろになりて こどもらは 積雪の道を 踏みしめてゆく
子らは希望に満つ。
別格
兼築信行
しろたへの ゆきふりつもる まがごとも ゆゆしきことも なきがごとくに
題者
青柳隆志
如月の 雪は衣に 落ちかかる 梅の花にも あやまてるかな
詠進歌
梅若志歩
黙々と 雪かき進む 身の内の こもる熱気に 眼鏡が曇る
榊原有紀
昨日まで 霞たなびく 島山も 今日は雪にて 霞みつるかな
加藤晴乃
春雪(しゅんせつ)や 北の大地の ゲレンデに 滑降の跡 いまも忘れず
仲谷嘉洋
北よりの 追ひ風受けて 上り来る 貨物列車は 白雪を積む
宮 廣美
WhatsAppの はなしをはりて ふとそとを みればおどろく 雪ふってゐる
スニトコ・タチアナ
天降る 七代の滝の 神の如 春まつ雪花 やはらかに咲く
森下正博
うめのはな かをるをこころ まつにはに きのふもけふも ささめゆきふる
笠原雄二
悲しみに 雪は降り来(き)ぬ 行く方も 足元だにも 定かに見えず
高橋英子
ゆきのごと けだかきいろの ころもきて つとめをはたす ひとらたふとし
三宅やよい
春節の あかりの小路を したふ夜の ことばぬくもり 風花のごと
菅原秀太
ひとつだに あとなきにはの ゆきのおもに ふみいだすごと このとしたちぬ
吉野清美
ランドセル ましろになりて こどもらは 積雪の道を 踏みしめてゆく
林 純一
坂道に 雪降りくれば のぼりくだり とりどり傘の 花咲き出づる
大原 稔
手袋に ひらりひとひら 白き華 雪げの雲は 低く閉ぢたり
兼築信行
しろたへの ゆきふりつもる まがごとも ゆゆしきことも なきがごとくに
青柳隆志
如月の 雪は衣に 落ちかかる 梅の花にも あやまてるかな