令和4年2月28日(月)

兼題「早春」(題者 林 純一先生、選者 青栁隆志先生)

別格
兼築信行
はるまだき さくやこのはな もとめこむ とりはふるすに みゆきかこてり

選者
青栁隆志
岩間とぢし こほりをとくは 東風 きよきながれに 春は来たれり

第一席
菅原秀太
さほひめや かすみのころも おりそめて はるのいそぎも ととのひにけり

第二席
笠原雄二
さゆるあした 薄き氷は 春の日の 陽ざしを浴びて きらきらと消ゆ

第三席
仲谷嘉洋
はるたてど いまだかすまぬ あをぞらに さやかなりけり 富士のたかねは

詠進歌

池田悠人
あらたなる 季節の門出 福を願ひ 豆まく声は 耳に残れり

阿部友香
春なれど 降り来る雪に 荷を運ぶ 配達員の 吐く息白し

仲谷嘉洋
はるたてど いまだかすまぬ あをぞらに さやかなりけり 富士のたかねは

笠原雄二
さゆるあした 薄き氷は 春の日の 陽ざしを浴びて きらきらと消ゆ

菅原秀太
さほひめや かすみのころも おりそめて はるのいそぎも ととのひにけり

森下正博
春あさき 野山巡れば 息吹きあり 勢ひをもて 人もかくあれ

加藤晴乃
梅が香の 薫れるあした 蕗の薹 摘めば宮居に 春はきたりぬ

高橋英子
やはらかき はるのひざしに とけてゆく ゆきはゆたけく つちをうるほす

三宅やよい
頬をさす 風舞ふ岬に 灯台の 白亜にまさる 白き水仙

林純一
かぜさえて 春まだうすき 陽の光 されど梢は やや芽吹きたり

大原稔
わかくさの つまいづくにか こもるらむ はるまだあさし むさしののはら

兼築信行
はるまだき さくやこのはな もとめこむ とりはふるすに みゆきかこてり

青栁隆志
岩間とぢし こほりをとくは 東風 きよきながれに 春は来たれり