令和4年8月31日(土)

兼題「沢」(題者 笠原雄二様、選者 青栁隆志先生)

別格
兼築信行
いにしへの なだかきひとも ぬかりあり よみなたがへそ ふじのなるさは

選者
青栁隆志
さるさはの いけのみぎはに 立つ塔の にごらぬ水に うつるかげはも

第一席
林 純一
縄文の 沢辺の遺跡 佇めば ひときは高し すだく虫の音

第二席
吉野清美
ふるさとの 山踏みゆきて きみと聞く 沢水遠音 さやかなりけり

第三席
菅原秀太
まつかげを ながるるさはの きよみづも いやさぬこひの ほてりなりけり

詠進歌

阿部友香
水清き 沢田の山葵 ひさぐ刀自の 髪もいつしか 色褪せにけり

笠原雄二
山深き 沢に拾へる 石のおもて 貝の殻あり 太古の海の

加藤晴乃
沢蟹を 尋ね入りにし 谷の奥 蛍飛び交ひ 水音高し

岸志津佳
ほそぼそと ながれてつきぬ 沢みづを ながめてゐたし すゑずゑまでも

菅原秀太
まつかげを ながるるさはの きよみづも いやさぬこひの ほてりなりけり

三宅やよい
あさぎりの 苔むす沢の 奥の奥 動をのみ込む 綾広の滝

吉野清美
ふるさとの 山踏みゆきて きみと聞く 沢水遠音 さやかなりけり

林 純一
縄文の 沢辺の遺跡 佇めば ひときは高し すだく虫の音

大原 稔
さはみづに あしをひたせば 霧が峰を ふきおろすかぜも すずしかりけり

兼築信行
いにしへの なだかきひとも ぬかりあり よみなたがへそ ふじのなるさは

青栁隆志
さるさはの いけのみぎはに 立つ塔の にごらぬ水に うつるかげはも