平成25年1月16日
平成25年披講学習会歌会始を行いました。

披講諸役
読師 青柳隆志
籌刺 大野祐子

諸役は一首ごと作者によるリクエスト形式
立礼・短冊披講・衆議判(一人二票)

年の始めに、同じく、立といふことを、おほせごとによりて、よめる歌

①(甲調 講師 青柳隆志 発声 伊藤一夫)      青柳隆志***(第三席)
白浪の立つ海づらをめぐりきていま古里の泊りにぞ着く

②(甲調 講師 青柳隆志 発声 伊藤一夫)      林 純一******(第一席)
  霞立つ三輪の神奈備おろがみて願ふ御國のやすらけき世を

③(甲調 講師 林 純一 発声 青柳隆志)      伊藤一夫***(第三席)
くやしさに涙にじませけんかせり幼き我子は転びては立つ

④(甲調 講師 林 純一 発声 天之原泰洸)     大野祐子*
一本松たけき姿はしらしむるたちすくなと立ちどまるなと

⑤(甲調 講師 内池三郎 発声 青柳隆志)      天之原泰洸*
ゆらゆらとカマから昇る白き湯気巳年なる雪山の初釜

⑥(甲調 講師 大野祐子 発声 吉野清美)      天之原詩恩****(第二席)
天照宮居新たに立つ年の初日登れる明き心に

⑦(甲調 講師 青柳隆志 発声 伊藤一夫)      阿部幸子**
岬にて吹き抜ける風海空の青さに映えてしぶき立つ波

⑧(乙調 講師 青柳隆志 発声 伊藤一夫)      茂木仁子*
大江戸に天空の塔そびえ立ち善男善女集ひ寿ぐ

⑨(甲調 講師 青柳隆志 発声 伊藤一夫)      **靖幸*
海原に隈なくわたる敷波に大きな波を我立たせたし

⑩(乙調 講師 青柳隆志 発声 伊藤一夫)      萬里小路通真**
春日野に祓えの詞立ち昇る岩戸開きて天地照らせ

⑪(上甲調 講師 青柳隆志 発声 伊藤一夫)     島田光男
せはしなき師走のひと時筆を立て字を習ひをれば風は止みたり

⑫(甲調 講師 青柳隆志 発声 伊藤一夫)      中村孝之
霧中だな露のしづくを眺めつつ我も飛立つ朝霜の鳥

⑭(乙調 講師 青柳隆志 発声 伊藤一夫)      大里明恵***(第三席)
しきなみをゆらり泳ぎて立ちどまるもがき悩める乙四句かな

⑮(甲調 講師 青柳隆志 発声 伊藤一夫)      吉野清美
冬ばれの白き光の満つる道に雪化粧した木列なして立つ

⑯(甲調 講師 青柳隆志 発声 伊藤一夫)      矢口裕司***(第三席)
エレベーターに乗りたる人の三、四人立ちて見つむる階数表示